フロアプライスやレートカードは、プログラマティック広告マーケットプレイスでメディア企業がインベントリを販売するのに必要不可欠な要素です。課題は、SSPとDSP間で語られるフロアが、根本的過ぎて現代や未来のマーケットにおいて時代遅れであることです。
OpenRTB(英語)のメディア企業は、インプレッションの機会毎に価格ガイダンスを提供します。この方法は、10年以上前にウェブバナーの利用のために設計されたものです。現在は、メディア企業が1つのインプレション機会内で広告のサイズ、長さ、フォーマット(バナー、ネイティブ広告、動画)別にユーザーエクスペリエンスを作成します。
その結果、現在のセラーは価格ガイダンスにおいて2つのオプションがあります。すべての広告を横断して共有されたフロアプライスを使用するか、インプレッション機会を複数のリクエストに分け、それぞれが各フロアプライスを使用するオプションです。
スーパーが、大きいピーナッツバターと小さいピーナッツバターを同じ価格で売らないのと同じように、メディア企業も、大きい広告と小さい広告を同じ価格で一括りにしたいと思っていません。一方、マーケットプレイスの反対側では、バイヤーと DSP が効率性を重視しています。彼らは、各インプレッションの機会が複数のリクエストに分割されることを望んではいません。
メディア企業とバイヤーの需要を満たすため、私たちの業界ではフロアプライスを上手く設定する方法が必要です。そして、今こそが見直す時です。
フロアプライスのガイダンスを向上する方法
OpenRTB 2.6は、メディア企業、バイヤー、テックプロバイダーの可能性を拡げる大きな一歩となりました。 Indexは、IABテックラボおよび業界のリーダーと共に、このガイドラインの定義作成に深く関わりました。2023年を迎えるにあたり、OpenRTBの次のバージョンの評価が始まります。勝率の向上、無駄な入札の削減、全体的な効率性向上のために、フロアプライスの改善に集中する時です。
OpenRTB 2.6のフロアプライスや以前のバージョンは、BidRequest.imp[]レベルで指定しています。
メディア企業に対して、1つの一元化された入札リクエスト内の長さ、フォーマット、サイズを基に商品の価格を決定するため、どのようにフロアプライスを指定するか幾つかの変更を提案しました。
このプロセスの一環、および改善への取り組みとして、IABのプログラマティック・サプライチェーンワーキンググループに、以下の推奨を含むOpenRTBの強化を提言しました。
マルチサイズバナーの配置
大きいクリエイティブは、画面の面積をより占領し、一般的にユーザーのアテンションを獲得します。メディア企業は、一般的にバイヤーに対して、小さい広告より大きい広告により高い料金を請求します。
メディア企業は、banner.format[]配列で各サイズのフロアを指定できるようになるべきです。これによって、DSPにリクエストを分ける必要なく、1つのオークションでの各広告サイズのフロアプライスが利用できるようになります。
動画と音声の長さ
最高のユーザーエクスペリエンスを維持するために、動画メディア企業は、一般的には、収益化のゴールを達成できる範囲で、最も少ない広告の配信を希望します。OpenRTB 2.6は、メディア企業が広告ポッドの構築をさらに管理できるよう新しいフィールドを導入しました。
新しいmincpmpersecフィールドで、希望するクリエイティブの数や長さを指定できたり、1秒毎のCPMを基に変動可能なフロアプライスを設定できたりします。バイヤークリエイティブの長さとリニアに拡張できるフロアプライスを指定するために相応しい第一歩です。
一方、クリエイティブの長さと収益化間の兼ね合いとして、メディア企業は、不規則な価格制限を決定できる必要があります。例えば、収益化のゴールを達成するため、短い広告ブレイクの後に、10ドルのCPMで2つの10秒間の広告を表示するより、20ドルのCPMで15秒間の広告を1つ表示したい場合があります。
当社では、ポッドおよび非ポッド入札リクエストの両方で、様々な長さの動画と音声入札のフロアを指定できるようにすることを推奨します。
マルチフォーマット広告の配置
記事の段落間など広告配置の一部は、バナー、ネイティブ広告、アウトストリーム動画などの複数の広告フォーマットに対応しています。メディア企業は、1つのリクエスト内で、広告エクスペリエンスの各価格を決定できるようになるべきです。これで、プログラマティック広告取引のすべての関係者の需要が満たされます。
開発に参加する
当社では、メディア企業とDSPと共に、新たな価格ガイダンスの推奨を試行、検証し始めました。この開発やガイダンスの作成に参加を希望する場合は、貴社の見解をお聞かせください。ぜひ、IABテックラボにお問い合わせまたは、話し合いにご参加ください。
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