今年もプログラマティックを取り巻く環境で大きな変化が見られた一年となりました。オープンインターネット全体で、効率性の向上、よりスマートな決断、そして質の高い成果を追求する動きが加速するなか、業界はこれまでにないスピードで進化を遂げています。
当社のビジョンである、市場全体の効率化が、これまで以上に重要になっています。すべての関係者にとってより良い成果を生み出すことを基盤としています。より多くの予算をメディア購入のために確保、マーケターにより高い価値を提供、そして健全で競争力のあるエコシステムのためのイノベーションを促進することを目指しています。
2025年は、私たちのビジョン実現に向けて着実な前進を果たしました。セルサイドデシジョンが、業界で広がり始めました。
AIおよびエージェンティックシステムが、急速にプログラマティックの意思決定のあり方を変える中、成果重視で質の高い在庫へのニーズは一段と高まっています。AIの進化を支えるために必要なコンピューティングの需要が高まるにつれ、価値をより効率的に引き出す方法のニーズも高まっています。
セルサイドデシジョンは、この時代のために作られました。
インプレッションの近くでインテリジェンスを適用し、シグナルが最新で明確な情報が得られるところで判断することで、意思決定はより迅速かつ正確になり、取引の双方に新たな価値創出の可能性が広がります。バイヤーは、適切なメッセージを最も品質の高い環境で配信するために、すべてのインプレッションを最適化できます。パブリッシャーは、在庫の持つ本来の価値をより的確に提示でき、各インプレッションから得られる収益を最大化できます。
Indexマーケットプレイスは、この変化を推進する原動力となっています。マーケットプレイス導入率は前年比で3倍に拡大し、現在では世界中で1日あたり数億件のインプレッションを処理しています。
2025年、Index Exchangeは、Chalice、inPowered AI、Anonymisedなど複数のマーケットプレイスパートナーとのコンテナ接続*を導入しました。これにより、エクスチェンジ内でリアルタイムかつモデル駆動型の判断を実行できるようになりました。わずか1ミリ秒の差が成果を左右します。このインテリジェンスを取引時の近くで適用することで、効率性とパフォーマンスの両面で大きな改善を実現できます。
また、RIS.TV、LiveRamp、Gracenote、Experian、Samba TVなどのパートナー企業と連携しデータベンダー・エコシステムを導入することで、マーケットプレイスをさらに拡張しました。今回初めて、Index上でメディアバイヤーやマーケットプレイスのパートナー企業が、追加費用やカスタム接続不要で、セルサイドで高品質かつプライバシーに配慮したオーディエンスデータおよびコンテキストデータを直接活用できるようになりました。これにより、より透明性が高く、効率的なデータ活用の仕組みが実現します。また、全ての収益が、データプロバイダーとパブリッシャーの在庫に直接届けられます。
今年は、ストリーミングTV環境でも変化の多い一年となりました。パブリッシャーがライブ配信スポーツの在庫*をプログラマティック取引に拡大したことで、市場は急速に活性化しました。これには、非常に大きな可能性が広がっています。いかなる規模のブランドも、プレミアムライブ配信の瞬間に、配信可能で、パブリッシャーは、最も価値の高いコンテンツをより効果的に収益化できるようになりました。
しかし、ライブ配信は、以前より存在する技術的な課題も浮き彫りにしました。視聴者数の急増が、数百万件もの広告リクエストを同時に発生させ、多くの場合、コマーシャル枠の発生は予測できません。従来のインフラは、このような変動に対応できるよう設計されていないため、インプレッションの取りこぼしや収益の損失が発生しています。 改めて、最新のスケーラブルなプログラマティックシステムと確かな技術標準の重要性が明確になりました。
2021年に、エクスチェンジを一から再設計*すると決断した際、私たちは、今後のプログラマティックでは、より効率的でオムニチャネルなプラットフォームが求められることを確信していました。しかし当時は、業界の状況がこれほど速く変化するとは想像もできませんでした。
当時の取り組みがあり、今の私たちの軌道を形成するイノベーションを生み出すことができました。マーケットプレイス、コンテナを活用したソリューションの基盤を築き現在のライブ配信環境におけるスケール化および変化に対応できる技術的な耐障害性を確立しました。
本年、私たちは、業界の標準を引き上げるためIAB Tech Labと協働しました。Live Event Ad Playbook (LEAP)が、安定性の向上、収益の最大化、ライブ配信エクスペリエンスを改善するガイダンスを発表しました。また、Agentic RTB Framework (ARTF)*は、コンテナ化されたリアルタイム入札に一貫したアプローチを取り入れ、取引の各プロセスを同一の仮想環境で処理できるようにすることで、オークション速度を飛躍的に高めています。プログラマティックは、ミリ秒からマイクロ秒での処理に移行しています。ARTFは、リアルタイム、エージェンティックの意思決定を実現するための重要な節目となります。
事業の成長を支えるため、リーダーシップ体制の強化を進め、最高顧客責任者にメアリーベス・マクガフを迎えるとともに、プロダクト、エンジニアリング、セールス、マーケティング各領域で新たなリーダーを迎えました。
2026年に向け、当社の目標は明確です。アドテクの水準を引き上げ、より透明性があり効率的、そして品質を重視した未来を築いていくことです。これらの理念が、次のプログラマティック時代の基盤となり、今後の可能性は、これまで以上に有望であると信じています。
皆様には、当社への信頼とご支援に感謝いたします。皆さまと共にアドテクの未来を築いていけることを嬉しく思います。
Index Exchangeの一同より、皆様のご支援に心より感謝いたします。どうぞ良いお年をお迎えください。
アンドリュー・カサーレ（Andrew Casale）
最高経営責任者（CEO）
チャネル全体で品質、効率、透明性の水準を高めるための弊社の取り組みをご覧ください。
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