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気象インサイトとセルサイドインテリジェンス: The Weather Companyインタビュー

天候は、外出前に確認するだけのものではありません。これは、意思決定、タイミング、動機を読み解くうえで、極めて重要な指標です。人の意識の変化から行動に至るまで、気象インサイトは、ブランドが大規模で関連性の高い広告を配信するための重要なシグナルとなっています。

The Weather Company*の広告製品担当バイスプレジデント デイブ・オレスネビッチ(Dave Olesnevich)と、気象データとセルサイドインテリジェンスがプログラマティック戦略をどう変えつつあるかについて対談しました。

セルサイドインテリジェンス
Index Exchange マーケットプレイス担当バイスプレジデント ポール・ゾビガン(Paul Zovighian)とThe Weather Company 広告製品担当バイスプレジデント デイブ・オレスネビッチ(Dave Olesnevich)

1.The Weather Companyは、貴重な自社データを大量に保有しています。どのように活用し、活用することで、マーケターにはどのようなメリットがありますか?

デイブ・オレスネビッチ: これは広告業界で、以前からある問題です。 大量のデータを保有しているのに、活用方法に悩む企業があります。 しかし、The Weather Companyでは、一度もデータ活用について悩んだことがありません。 航空、農業、軍事、小売、放送メディアなど、様々な業界の企業が、私たちの気象インサイト*を活用し、よりスマートな意思決定を可能にしています。

私たちは、単に気象データ*を提供しているだけではありません。 私たちの未加工の気象データと販売データ、健康指標、行動パターンを組み合わせることで、450種類以上の独自の気象条件を実践的なインサイトに変換し、マーケターは消費者が行動を起こすタイミングと場所を把握するのに役立てています。

「これにより、キャンペーンに高い精度が加わり、ブランドは固定のオーディエンスセグメントから、実際の状況に応じた動的な関連性に移行するのをサポートします。」

また、気象データは、スマートな自動化を促します。そのため、ブランドは、エンゲージメントやコンバージョンにつながる状況に限り、広告費を投入できるようになります。花粉ピーク時におけるアレルギー薬のキャンペーン、雨の日の温かい食事、または晴れた週末を前にドライブ旅行のアイデアなどを考えてみてください。

影響を与える完璧なタイミングが生まれる際に、その瞬間を逃さないことが重要です。

2.現在では、このデータをセルサイドで活用できるようになりました。このアプローチが効果的である理由を見ていきましょう。

デイブ・オレスネビッチ: これまで、バイヤーはマニュアルで気象データを様々なプラットフォームに適用する必要があり、複雑で時間の掛かる作業でした。

「セルサイドのデータを有効化することは、従来のターゲティングモデルを根本から覆すものです。」

現在、私たちは初めからプレミアムインベントリに気象インサイトを直接取り入れることができます。最大の変化は、顧客にとってどれだけ簡単でアクセスしやすくなったかということです。

「以前は複雑に感じられていたこと、例えばあらゆるデータセットの統合や、キャンペーンのタイミングを実際の状況に合わせるといった作業が、現在ではセルサイドインテリジェンスにより自動的に行われるようになりました。」

つまり、予測で作業を行う必要がなくなりました。単一のディールIDを使用することで、バイヤーは一つのプラットフォーム内で気象データを基にしたターゲティングにアクセスでき、非常に簡単に有効化できます。

どの企業も、効率化とROIを最大化する方法を探しています。 そして、自社の業務をよりスムーズにしてくれるパートナー企業と連携したいと思っています。 セルサイドインテリジェンスは、業務効率化を可能にし、 改善します。 有効化の手間を省き、キャンペーンが気象条件にリアルタイムで対応できるようにし、計測をスムーズにします。 全ての要素が組み合わさることで、ブランドは、手間を掛けず、すばやく結果を出せます。

3.前述の断片化について、より詳しくお話していきましょう。気象インサイトとセルサイドインテリジェンスが、どのようにしてより一貫性のある戦略を策定しますか?

デイブ・オレスネビッチ: デジタル広告で最大の課題の一つは、断片化です。

「有益なデータを持っていても、それがチャネル全体で一貫して活用されていない場合、成果を発揮するのは困難です。このような理由から、当社とIndex Exchangeのパートナーシップは、非常に有益だと考えています。」

私たちは共に、ブランドが抱える断片化の問題を解決するサポートをしています。 Indexマーケットプレイス内の気象データに基づくディールにより、当社のインテリジェンスが、より多くのプラットフォーム上で、プレミアムでブランドセーフなインベントリに一貫して適用され、新たなデマンドの開拓に役立っています。 バイヤーは、ストリーミングTV、ディスプレイ広告、モバイル、動画、希望するプラットフォームを越えて、簡単に有効化でき、サプライパスに透明性をもたらします。

さらに、気象ターゲティングは、マーケター独自のオーディエンスデータと問題なく機能します。マーケターは、誰にリーチしたいか、既に把握しています。天候は、いつ、どこでオーディエンスとエンゲージするか、明確にするためのサポートをします。この組み合わせが、キャンペーンをより効果的にするための精度を向上します。

4.貴社のデータとセルサイドインテリジェンスと併用し、どのようにAIを活用していますか?

デイブ・オレスネビッチ: AIは、私たちの業務の中心にあります。 先ずは、予測から始まります。 当社はAIと機械学習を活用し、世界最高精度の天気予報を提供しています。それと同じ技術が、当社の予測広告シグナルを強化します。

「要するに、私たちはAIを単に天気予報に使うだけでなく、行動を予測するために活用しているのです。」

私たちのモデルは、環境要因が行動にどのように影響を与えるかを分析しています。例えば、人々が健康的なスナック、スキンケア製品、または自動車部品を購入する際に、何が要因となっているのかを明確にします。また、サードパーティデータを取り入れ、気象が結果に与える影響を特定します。

セルサイドインテリジェンスを通じて適用することで、このデータがより実用的になります。シグナルはプレミアムインベントリに直接組み込まれており、パフォーマンス向上のために事前に最適化され、チャネルを横断し、すぐに活用できます。

5.プライバシーに関する懸念が高まる中、気象データはマーケターが信頼を損なうことなく、成果を向上させるためにどのように役立つのでしょうか?

デイブ・オレスネビッチ: 私たちが最も誇りに思っていることの一つは、当社の気象ターゲティングは、常にプライバシー保護を最優先に考えてきた点です。 個人のIDに依存することがありません。 一般に公開された、現地のシグナルを基盤に構築されています。

つまり、ブランドは信頼を損なわず、パーソナライズを可能にします。例えば、特定の郵便番号の地域で、大気汚染注意報が発令しているか把握できます。この情報は、呼吸器系製品や医療サービスのキャンペーンを推進する際に活用でき、個人を特定する必要はありません。

消費者は、適切なタイミングで、関連性のあるメッセージを受け取り、ブランドが、プライバシーを保護しながら成果を出せるため、両者にメリットがあります。

6.ブランドが、セルサイドで気象インサイトを有効にして成功した事例はありますか?

デイブ・オレスネビッチ: 一つ良かった事例は、Index Exchangeと連携した直後に、日焼け止めのブランドが、参加したことです。 そのブランドは、消費者が屋外で過ごす時間が増え始める時期を見逃したくなかったのです。

キュレーションした気象ベースのディールを活用することで、紫外線の強さが高まるにつれ、郵便番号単位でリアルタイムにキャンペーンを展開しました。 その結果、私たちのラインアイテムは、キャンペーンの中で成果の高いラインアイテムとなりました。

他の例では、大手コーヒーチェーン店が、当社の正確な気象情報と製品情報を組み合わせることで、10万以上の来店数を増加することに成功しました。ここで得られるのは、クリック数およびインプレッション以上に実際の計測可能な結果です。

「これこそが、気象インサイトをセルサイドに取り入れることで得られる効果です。つまり、関連性だけではありません。ビジネスにとって重要な成果を出すということです。」

*リンク先は英語のページです

Indexマーケットプレイスでセルサイドインテリジェンスを有効にし、ビジネスにより優れた成果をもたらす方法をご確認ください。

Paul Zovighian

Paul Zovighian

マーケットプレイス バイスプレジデント

ポール・ゾビガンは、業界で10年以上の経験を有します。分析と最適化の経験から、現在のマーケットプレイス バイスプレジデントの役職に至ります。以前の役職では、Index Exchangeで初めて事業買収を主導しました。ポールは、現在Index Exchangeの最新プロダクトである「マーケットプレイス」の普及に取り組んでいます。仕事以外では、ビーチをのんびり散歩したり、ニューヨークの食料品店に住む猫と遊ぶことが好きです。

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