コンバージョンAPI(CAPI)とは 

Sam Crosby, Senior Director, Product
コンバージョンAPI(CAPI)は、マーケターに対して、計測やコンバージョンイベントの最適化に、柔軟性のある、プライバシー重視のソリューションを実現しますが、多くの場合、ウォールドガーデンで使用されてきました。しかし現在は、オープンインターネット向けの新しいタイプのソリューションとして、CAPIが注目を集めています。これは、エコシステム全体で、より柔軟性があり、スケーラブルなソリューションとなる可能性があります。Index Exchange 製品担当シニアディレクターのサム・クロスビー (Sam Crosby)が、CAPIとは何か、どのような仕組みで、なぜ広告ツールキットの不可欠な要素となりつつあるのか説明します。

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CAPIとは 

CAPIは、ブランド、パブリッシャー、プラットフォーム間(通常、ブランドのウェブサイトあるいはPOSシステムと、広告プラットフォーム間)でシグナルの送信を可能にするソリューションです。オンラインまたはオフラインでのコンバージョンイベント(メールアドレス登録、製品ページ閲覧、カートへの追加、購入など)を通知します。 

この連携は、ブランドがパフォーマンス、キャンペーンの最適化を把握し、その結果として、結果を向上するために非常に重要です。

CAPIと他のソリューションとの違い 

CAPIは、その他のコンバーショントラッキングとアトリビューション・ソリューションとは、いくつか異なる点があります。従来のトラッキングピクセルと比較し、CAPIは、より強力なソリューションです。  

ピクセルは、クライアントサイドで機能します。つまり、消費者のブラウザに依存し、読み込み、発火することを意味します。その結果、広告ブロッカー、ブラウザ制限、データロスの影響を受ける可能性があります。さらに、ブランドがコントロールできるデータやコンバージョンのパラメータにも制限があります。 

一方、CAPIは、サーバーサイドで機能するため、特にクッキーレスの環境では、よりダイレクトで、安定した方法で、データを転送できます。ブランドは、より精密なデータコントロールが可能になり、独自のカスタマージャーに合わせた、コンバージョンパラメータのカスタマイズや、オフライン・アトリビューションなどの豊富なオプションを利用できます。 

例えば、消費者が、ポイントカードや会員カードを使い、購入するとします。この取引を過去の広告表示と照合することで、以前は追跡できなかった、ブランド認知の効果が、オフラインのコンバージョンに貢献していることを確認できます。  

このようなレベルの詳細なシグナルが、リアルタイム・アトリビューションを可能にします。これは、キャンペーン最適化に、大きな変化をもたらします。特に、コマースメディアがオンラインと実店舗の売上にどのような影響を及ぼすのか把握したい小売業者には、有効な手段です。  

クリーンルームは、アトリビューションと計測に役立ちますが、CAPIは、よりダイレクトで、リアルタイムに、このようなインサイトを有効活用できる方法を提供します。クリーンルームは、通常、バッチ処理とパートナー企業間の連携に依存しますが、CAPIは、継続的な、コンバージョンレベルのデータを適切なタイミングで共有し、計測とキャンペーンの最適化に有効活用できます。  

CAPIが、リアルタイム・アトリビューションを実現

CAPIは、広告システムをよりスマートにします。よりリッチで、迅速なフィードバックループにより、キャンペーンはリアルタイムに改善されます。より効果的な広告クリエイティブを配信し、重複するメッセージを回避でき、クリック数以外にも、特定の目標達成に向けて最適化可能になります。 

CAPIソリューションは、新しいものではありません。Meta、Pinterest、Googleのようなウォールドガーデンで、CAPIソリューションは以前から広く使われていました。消費者がログインするプラットフォームは、メールアドレスやユーザーIDといった永続的識別子(PID)を保有しています。このようなプラットフォームは、自社のクローズドエコシステム内で、簡単に広告インプレションやクリックを、購入などその後のアクションと紐づけることができ、明らかな強みを持っていました。 

このようなレベルの連携が、リアルタイム・アトリビューションを可能にします。もし消費者が、広告を見た後に購入した場合、そのシグナルは、ほぼ同時に広告プラットフォームにシグナルをループバックできます。これにより、過去の購買行動を基に、広告を表示しない対象を自動的に判断するなど、スマートなキャンペーンにするための判断を可能にし、無駄なキャンペーン費用を削減したり、消費者体験を改善したりします。 

現在の課題:CAPIソリューションとリアルタイム・コンバージョン最適化の大部分は、ウォールドガーデンに限られています。オープンインターネット上では、キャンペーンを配信する広告プラットフォームは、ウォールドガーデンと同レベルのシグナルを受け取れないことが多く、そのため、コンバージョンイベントに基づいてキャンペーンをリアルタイムに最適化できません。  

さらに、主なプラットフォームが、独自のコンバージョンAPIのバージョンを保有しており、それぞれの設定とデータ要件も異なります。例えば、10のプラットフォームで広告を配信しようとするブランドの場合、10種類の異なる接続が必要になり、更に、それぞれに少しずつ違いがあります。その結果、データは分散され、手間が掛かるうえ、規模を大きくするのが難しくなります。 

標準CAPIを作成

標準化オプションの必要性は、これまで以上に高まっています。  

The IAB Tech Lab*は、この必要性に対応し、プラットフォーム間およびオープンインターネット全体で機能する標準コンバージョンAPIの構築を目指しています。接続を簡易化、断片化を解消し、マーケターに、ウォールドガーデンで取得できるのと同等のインサイトと最適化をあらゆる場面で提供することを目標としています。  

標準化CAPIが、業界全体にもたらす大きなメリット: 

  • マーケターは、自社のメディア全体で一貫した計測を実現 
  • パブリッシャーは、カスタム接続を構築する必要なく、リアルタイム・シグナルをサポートするフレームワークを利用可 
  • 消費者は、既に購入したものに関する広告を見る頻度が減り、より関連性の高い広告を閲覧 

標準化オプションと同様に重要なのは、標準化されたアプローチを採用することです。これらのシグナルがプライバシーに配慮した方法で共有され、適切なデータコントロールが実施されていることを確実にします。 。

よりオープンで、プライバシー重視の未来  

業界がよりプライバシーに配慮した、相互運用可能な未来へと移行する中、今こそ準備を開始する時です。Index Exchangeは、ブランド、代理店、パブリッシャー、およびテクノロジープラットフォームが標準化されたCAPIソリューションをサポートし、広告エコシステム全体の発展に貢献することを期待しています。  

これにより、当社はパフォーマンスを一貫して計測し、チャネルを横断してリアルタイムで最適化を行い、単一のプラットフォームに依存しない、より透明性が高い、プライバシー重視の未来を築くことにつながります。 

オープンインターネットの可能性を最大限に活用しましょう。Index Exchangeが、貴社の計測とアトリビューションに関するアプローチをどのように改善できるか、お気軽にお問い合わせください。 


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