プログラマティックの効率性がAIの時代で重要な理由

James Wilhite, VP of Product
効率性はプログラマティックにおいて常に重要視されてきましたが、AIの導入が急増したことにより、突如として注目されるトピックとなりました。AIは、ターゲティングの方法を変えるだけでなく、デジタル広告を可能にする基盤そのものを変えています。Index Exchangeのプロダクト担当バイスプレジデント ジェイムス・ウィルハイトがプログラマティックの効率性について、またAI時代で重要視される理由について解説します。

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AIの時代におけるプログラマティックの効率性

プログラマティック広告のエコシステムにおいて、効率性とは、1ドル、1秒、そして相互接続されたプラットフォームからより多くの価値を引き出すことを意味します。

具体的には二つの意味があります。

  1. キャンペーン予算のより多くの部分が、手数料や取引コストいわゆるアドテクの手数料に消えるのではなく、リーチと成果を生み出すメディア購入費用に充てられるべきです。
  2. プロセスの各ステップは、障壁ではなく付加価値を生むべきです。不要な入札や重複リクエストは、コストを増大させます。つまり、通る必要のない道路の通行料を支払うようなものです。

プログラマティックの効率性: インフラのコスト

毎秒、数十億件のリアルタイムオークションが、世界中の画面に表示される広告を決定しています。
各オークションでは、数千のデータポイントが収集され、複数の意思決定者が関与し、即時のレスポンスが求められます。

デジタル上の活動は、増え続ける一方で、関係者全員にさらなるプレッシャーを生み出しています。
バイヤーは同じ予算でより高い成果を求め、パブリッシャーは、収益を守るためインプレッションを最適化し、テックプラットフォームは、少ないリソースで多くを要求されています。

このプレッシャーが、あまり語られないコスト、すなわちインフラコストを浮き彫りにします。不要なホップ、重複リクエスト、そして損失したインプレッションのそれぞれが、機会損失を生み出します。

これは事業運営上のコストであるため見過ごされがちですが、総計すると、効果的なメディア運用やプロダクト開発への投資、あるいは市場価格の引き下げに充てられたはずのリソースが失われているのです。

従来のプログラマティックモデルは、空港の為替両替所のような仕組みで機能してきました。変動する為替レート、隠れた費用、そして上乗せされる高額な手数料が存在するのです。1ドルを預けても、
戻ってくる金額は非常に少なくなります。

市場が成熟するにつれ、目指すべきはVisaのような姿です。統一されたグローバル規模のシステムが、低コストかつ予測可能な手数料を実現するのです。予算が厳しく管理される中、透明性と明確な価値のやりとりに期待が高まっています。

新たな開発競争

AIは効率化と成果向上に極めて優れています。したがって、今日では次世代のモデリング技術やカスタム入札アルゴリズムをエコシステムに導入する企業が複数存在するのも当然のことです。

オープンインターネット全体にわたる膨大なデータセットでニューラルネットワークを訓練し、よりスマートな意思決定と優れた成果を導き出しています。

これらのモデルの推論能力により、どのインプレッションが望ましい成果を達成する可能性が最も高いかを予測できます。

AIモデルへのアクセスは既に容易になりつつあり、場合によってはコストも低下しています。しかし、それと同時に、計算処理需要とそれに関連するコストを増大させています。

AIの勢いは、21世紀の宇宙開発競争を引き起こしました。

10年前、パブリッククラウドは魅力的でした。驚異的な利便性、柔軟な拡張性、魅力的な価格設定。現在も、利便性は維持されていますが、AI時代の処理負荷は計算処理とストレージのコストを大幅に高騰させています。

クラウドへのリクエスト送信と応答には、取引が成立するか否かにかかわらず、常にコストが発生します。AIは本質的にソフトウェア問題を物理問題へと転換します。あらゆる処理には、エネルギー消費というコストが伴い、データ転送は実際の作業コストに影響を及ぼします。

そしてこのコストが1日数千億件のオークションに拡大されると、非常に大きな違いを生み出します。これはビジネスモデルそのものです。だからこそ、非効率性はこれまで以上に許容されません。

多くの企業にとって、この方式での拡張を継続することは、単純にコストを増大させていきます。

アドテクの未来におけるAIの役割

では、これはアドテクの次なるステップに何を意味するのでしょうか?

1. セルサイドデシジョン: より多くの企業がセルサイドでアルゴリズム、モデル、意思決定を適用する選択をしています。これはインプレッションに近く、高精度のシグナルが最新で、ノイズが最小限の領域です。SSPは既にオープンインターネット全体からシグナルを収集しています。この全在庫を横断して意思決定・キュレーションする機能を追加することで、バイヤーに送られる前に在庫が戦略的に有効化されます。

この移行により、DSPが処理すべきQPS、1秒あたりのクエリ数が削減され、リソースの効率的な活用が可能となります。また、在庫が最初から最適化されているため、マーケターにとって落札率と成果の向上につながります。

2. コンテナ活用: 企業はアルゴリズムやコードをコンテナ化*できる機会を得ました。パブリッククラウドに依存する代わりに、エクスチェンジやSSP上で直接実行できるのです。これは、証券取引所にサーバーをコロケーションすることでトレーダーが瞬時に注文を執行できる仕組みと同様です。

コンテナ化は、既存リソースを効率的に活用することで、無駄なインフラコストを削減します。これによりアルゴリズムがエクスチェンジに近くなり、オークションの高速化が図られるとともに、クラウドとの間でシグナルを往復させる際の遅延やコストが削減されます。

3. プログラマティックのベストプラクティス: プログラマティック広告の基本を習得することがこれまで以上に重要です。サプライパスの最適化は、パフォーマンス向上につながるので、ダイレクトパスと透明性のあるコスト構造を重要視し、メディア購入費を確保するための品質管理と不正対策の強化に努めてください。これらの基本要素は、AIと相乗効果を発揮します。クリーンな入力データは、モデルをスマートにし、スマートなモデルはクリーンなパスの価値をさらに高めるのです。

効率化を最優先に考慮したフレームワーク

今後投資する資金をより多くの高品質なパブリッシャーに還元し、マーケターに、より良い成果をもたらすには、その資金の活用方法をより最適化し、メディア購入費にリソースを優先的に配分する必要があります。

AIは効率性の向上、予測精度の改善、より少ないクエリでより迅速かつ効率的な運用を可能にすることで、これを実現する手助けとなります。

しかし、そのメリットを得るには、私たち全員が効率性を最優先する枠組みで運用し、距離の近さ、パフォーマンス、拡張性を意図的に設計することが不可欠です。

プログラマティックの効率性や1ミリ秒がパフォーマンスを左右する理由について詳しくお読みください。

この動画の制作に関わったジョシュ・プリズモン( Josh Prismon)に感謝します。