概要
長年、プログラマティック広告は、メディアバイヤーがオーディエンス、入札、クリエイティブを最適化する上で役立ってきましたが、メディアの品質については、入札の判断材料とするのではなく、事後報告のための指標として扱われてきました。 大手グローバルホテルブランドとその広告代理店であるdentsuは、この前提に挑むことにしました。
100か国以上で何千軒ものホテルを運営するこのブランドは、競争の激しい欧州の旅行市場において、質の高いトラフィックと予約獲得を増やすため、デジタルメディアに多額の投資を行っています。dentsuと共に高度なプログラマティック運用体制を構築した後、さらなる改善の余地を見出すことは難しくなっていました。
従来の最適化ツールでは、入札前にページ単位で品質を把握する手段が限られており、キャンペーンがアテンションの低い環境や過剰な広告表示、劣悪な消費者体験に巻き込まれるリスクがありました。同ブランドは、入札を行う前の段階で、技術的に視認可能な在庫と、旅行者のアテンションを実際に引きつけられる在庫とを見分ける手段が必要でした。
この課題を踏まえ、同ブランドとdentsuは、以下に取り組みました。
- 予約単価を削減
- ホテル客室予約数を増加
- 低品質な在庫による無駄を削減
- AIを活用したメディア品質の評価が、コストを増やすことなく、ビジネス成果を改善できるかを検証
最終的に、同ブランドとdentsuは、入札前にセルサイドでより質の高いインプレッションを選別することが、プログラマティックの効率性を大規模に向上できることを証明したいと考えていました。そのためには、メディアの品質が、レポートの指標としてではなく、リアルタイムかつ入札前の判断シグナルとなる必要がありました。
ソリューション
メディアの品質を購買シグナルへと変えるため、dentsuはIndex Marketplacesを通じて、Chalice独自の判断ロジックを導入しました。Marketplaces内では、ディールはターゲティングキーに基づいてキュレーションされ構築されます。インプレッションが、そのキーに一致すると、Marketplacesはそのインプレッションを購入可能にするディールIDを生成します。
Chaliceは、ブランドのキャンペーン目標と、個々のインプレッションの品質に基づいて、入札の判断を状況に応じて調整しました。 このモデルは、過剰な広告配置、高いリフレッシュレート、コンテンツ比率の低さなど、35種類以上のシグナルに基づいて、すべての広告インプレッションを評価しました。そして、キャンペーン実施中、継続的にインプレッションの優先順位を見直し、入札額をリアルタイムで調整しました。
Chaliceは、このモデルをIndex Cloud内で稼働させました。Index Cloudは、パートナーが自社のモデル、データ、アプリケーションを外部インフラでホストし、入札リクエストの到着を待つのではなく、インプレッションが発生するまさにその瞬間にIndex Exchangeのインフラ内で稼働させられる仕組みです。
こうした仕組みが、モデルで実現できることの幅を左右します。エクスチェンジの外部で稼働するモデルが確認できるのは、利用可能な情報のごく一部に過ぎません。インプレッション数も少なく、それぞれの詳細情報も限られます。品質の評価において最も重要なシグナルほど、最も早く失われてしまうことがあります。
Index Cloud内で稼働することで、こうした制約がなくなりました。 Chaliceは、サンプルではなく、約5億件のウェブページを評価し、数億件規模の入札処理を実行しました。これにより、簡略化されたモデルではなく、完全な品質評価モデルを表現できました。実際に質の高いインプレッションとかろうじて視認可能なだけのインプレッションとを、大規模に見分けることが鍵となるキャンペーンにおいて、この広範な対応こそが、成果の差を生み出す決め手となりました。
入札後に品質を測定するのではなく、入札前にインプレッションを評価することで、dentsu、Chalice、Index Exchangeは、メディアの品質を事後的なレポートの指標ではなく、リアルタイムの最適化シグナルへと変えました。
「Chaliceが弊社で行ったことこそが、Index Cloudを構築した目的です。パートナー企業が自社モデルとデータを持ち込み、インプレッションが発生するタイミングの近くで稼働させます。その効果は、バイヤーの成果に直接反映されます。同アプローチが、さまざまな状況で新しい可能性を開きます。」
Michael Richardson, VP of Product
Index Exchange
成果
本キャンペーンは、メディアの品質が、単なるブランドセーフティ上の配慮にとどまらず、測定可能なパフォーマンス向上の手段であることを証明しました。
欧州で実施された2か月間のキャンペーンを通じて、同ブランドは以下の成果を達成しました。
- 予約単価41%削減
- ホテル客室予約数14%増加
入札前に価値の低いインプレッションを排除することで、無駄な支出を抑えられました。その結果、エンゲージメントとコンバージョンを生み出すよう設計された質の高い環境に、予算をより多く投じられるようになりました。 Chaliceは、決められたルールに頼るのではなく、在庫や状況の変化に応じて、あらゆる広告インプレッションをリアルタイムで継続的に評価・優先順位付けをしました。
「業界ではあまりにも長い間、メディア品質を「事後報告のための指標」として扱ってきました。従来のキャンペーンとの違いは、初日から Chalice独自の判断ロジックをIndex Cloud内で稼働させ、入札後に品質を測定するのではなく、入札前に5億ページ近くを評価したところです。こうした仕組みが、予約単価41%削減を実現しました。これこそが、AIが取引の適切なタイミングで、適切なシグナルを得られたときに起こることです。」
Freddie Turner, Managing Director EMEA
Chalice AI
この結果は、メディアの品質がセルサイドデシジョンに活用されることで、パフォーマンスを確かに向上させ、ビジネス成果につながることを証明しました。 dentsuのメディア戦略、ChaliceのAIを活用したキュレーション、そしてIndexのセルサイドインフラが一体となり、取引のより早い段階でインテリジェンスを適用する重要性を示しました。これにより、バイヤーは、あらゆる入札の前に、より優れた判断を下せるようになります。
「当社の目標は常に、クライアントにとって確かなビジネス成果へと、メディア投資をよりスマートに転換する方法を見出すことです。本キャンペーンは、入札前にメディアの品質を評価することで、パフォーマンスを大きく改善できることを示しました。無駄な支出を削減すると同時に、さらなる予約数の獲得につながりました。本キャンペーンは、セルサイドデシジョンと、よりスマートなプログラマティック基盤の可能性を示す良い事例です。マーケターに数値で示せる成果を生み出しています。」
John Thankamony, Managing Director, Total Addressable
dentsu
Index Cloudを通じてインテリジェンスをエクスチェンジに直接組み込み、より豊富なシグナル、高いスケール、迅速な判断を実現する方法をご紹介します。
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