並んでテレビを見る家族

ストリーミングTV市場の拡大はコンテンツシグナルの透明性がカギ

ストリーミングとコネクテッドTV(CTV)で、コンテンツシグナルの透明性に欠けていることが、大きな懸念事項となっています。バイヤーは、購入の決断をする際に、チャンネル、ジャンル、番組などのコンテキスト情報を把握したいと考えています。しかし、現在のストリーミングでは、このような情報が常に理解できる訳ではありません。    ウェブやモバイルアプリなどのデジタルチャネルや、リニアTVなどの昔から存在するチャネルでも、透明性の高さは既に常識となっています。バイヤーは、ストリーミングTVでも同様の透明性を求めています。ストリーミングが急激に成長している一方で、市場はまだ成長途中であることを忘れてはいけません。業界基準とプロトコルは、未だ作成、導入途中です。   ストリーミングTVで完全な透明性を実現するには、ウェブやアプリと同様に、時間が掛かる可能性があります。その一方で、既に実現するためのツールが存在します。ウェブで辿った過程から学び、今こそ、ストリーミングTVでもコンテンツシグナルの透明性向上に向けて取り組む時です。それには、市場全体での協力が必要です。   コンテンツシグナルの透明性を改善することは、業界全体にメリットをもたらす  ストリーミングTVには、透明性を向上させ、マーケターが購入時により有益な情報を得られるようになる素晴らしい機会があります。これが、ストリーミングTVへさらに注力することを促し、サプライチェーンに関わる全ての関係者に、よい影響をもたらします。具体的なメリットは以下の通りです。    完全な透明性を実現するための過程  ストリーミングTVの透明性を高めることは、技術的およびビジネスの課題が伴います。バイヤーがコネクテッドTVのパブリッシャーやプラットフォームと、コンテキスト情報を共有することを希望している一方で、それには多くの作業が必要になることを認識しています。   コンテンツシグナルは、IABのOpenRTBプロトコルのコンテンツオブジェクトを介して、入札リクエストで共有されます。新しいバージョンであるOpenRTB 2.6には、ストリーミングTVのコンテクスチュアルデータを共有するフレームワークを定義した業界基準が存在します。業界全体で普及し始めましたが、未だメディア企業、DSP、テックベンダーが採用し、導入する必要性があります。    サプライチェーンを通じてコンテンツ情報をパスするには、メディア企業、デバイスメーカー、その他コンテンツ配信事業者に、完全な技術スタックが必要になります。ストリーミングにおけるビジネスおよびインベントリ共有のフレームワークが根底にあるため、デバイスメーカーとコンテンツ配信事業者は、配信契約の更新が必要になる可能性もあります。  業界全体で、コンテンツオブジェクトの標準化された価値に同意する必要があります。現在フレームワークが存在する一方で、すべてのメディア企業で情報が統一されている訳ではありません。例えば、同じ「試合」でもジャンルが「スポーツ」や「スポーツ – バスケットボール」などと分類されることがあります。     最後に、プライバシーへの配慮を忘れてはいけません。消費者のプライバシーを侵害することなく、必要な情報を提供しなければいけません。  当社のお客様とパートナー企業には、少しずつ取り組み始めることを推奨します。最も需要のある1つまたは2つのシグナルから始め、シリーズ番組名や放送回のタイトルのような詳細な情報をサポートすることから始めてください。  透明性の向上とストリーミングTVの規模拡大には、協力が重要 透明性を向上させるために下準備が必要であることを認識したメディアバイヤーは、詳細なコンテンツシグナルを受信することで具体的に何を達成しようとしているのか、サプライサイドのパートナー企業と積極的にコミュニケーションを取ることで、推進を後押しできます。   例えば、アップフロントまたはスキャッター購入以上の大規模なリーチを達成、フリクエンシーの改善、アップフロント購入全体で重複を減らすことなどです。業界全体で協力し、達成したい目標について共通の理解を生み出すことが、優先事項を決定し、今後の道を設定するのに役立ちます。   また、すべての関係者にとって最良のものとなるよう、既存の基準をテストし、改善するためには、協力が必要不可欠です。業界のプロトコルは進化するのが当然ですが、更新するには、実際に採用することでしか学べないことが必要です。 より多くのメディア企業、バイヤー、アドテク・プラットフォームがストリーミングTVのコンテンツオブジェクトを使い始めることで、リニアTVとストリーミングTVの間の差異を理解し始め、IAB …

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Monitor, Display, Screen

コネクテッドTV(CTV)広告ポッドの課題 

コネクテッドTV(CTV)は大きく成長し、IAB(英語)によると、今年の広告費は212億ドルに達すると予想されています。それでも、プログラマティックのテクノロジーは、メディア企業、バイヤー、視聴者の期待に応えられる広告ブレークの最適化を実現できていません。

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ノートパソコンとスマートフォンを使う女性

JICDAQ認証更新の意義とIndex Exchangeの品質への取り組み

Index Exchangeは、一般社団法人デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)による、「無効トラフィック対策」および「ブランドセーフティ」の認証を、2023年3月1日付けで更新しました。このブログでは、JICDAQ認証の意義と当社の取り組みについて解説します。

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Mobile phone showing a rocket and an arrow representing programmatic ad trends

最も変化の速い年:2023年に注目すべきプログラマティック広告トレンド

年末を迎え、広告業界がさらされている逆風を実感しています。個人消費の落ち込み、物価上昇、そして、景気後退が近づいています。この状況を乗り越えるには、マーケターは迅速に対応する必要があります。 eMarketerの調査(英語)によると、景気見通しに基づき、アメリカのマーケティングリーダーの50%が、今後6か月以内にマーケティング費の投資先を変更する予定を立てています。

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テレビ画面に映る人

Ads.txtやApp-ads.txでコネクテッドTVにさらなる透明性を

過去数年間で、プログラマティック業界はIAB Tech Labの認証済デジタルセラー(英語ページ)(ads.txtやapp-ads.tx)基準を受け入れ、サプライチェーンの透明性を高めています。ドメインのなりすまし防止、ウェブやモバイルアプリ上で認証されていないインベントリの再販の禁止を行ってきました。これらの手法により、マーケターは安心して認証された販売チャネルから広告を買うことができます。また、メディア企業は、インベントリの価値を損なうこともありません。

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PCで価格発見機能を使う

価格発見機能の向上がプログラマティックの成長を加速させる

マーケターがより多くの広告費をデジタルチャネルに投資するようになり、プログラマティック広告費は年々新たな節目に到達し続けています。このような規模は驚くべきことですが、これからのプログラマティック・グロースの焦点は、いかにしてアドレッサブル市場を91%から100%に拡大するかというものではありません。その結果は、きっと必然的なものなのでしょう。 

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laptop and smartphone on a white desk

Prebid Mobile 2.0とモバイル広告市場の再開

モバイル広告市場の統合が進み、アプリ開発者は、マネタイズやメディエーションパートナーの選択肢がますます少なくなっています。マネタイズパートナーの多くがゲームやアプリの開発スタジオを買収して統合が進んでいるため、直接的な利益相反が生じる場合があります。  では、アプリ内広告の体験をもっと主体的にコントロールできるマネタイズ・スタックを構築するには、どうすればよいのでしょうか。  当社は、モバイルのエコシステムには、利益相反のない、オープンで透明性の高い、効率的なサプライチェーンが必要だと考えています。最近リリースされたPrebid Mobile 2.0は、AndroidおよびiOSアプリ向けの無料、かつオープンソースのマネタイズソフトウェア開発キット(SDK)であり、私たちにとって非常に心強い存在です。  このリリースは、モバイル広告市場の再開に向けた重要な一歩となります。Prebid Mobileは、業界トップクラスのモバイルアプリマネタイズSDKとして、競合できる機能を備えています。   当社は、Prebid Mobileプロジェクト管理委員会に属しており、業界各社のリーダーたちと協力し、モバイルヘッダー入札と、エンドツーエンドの広告レンダリングを可能にする、独立したSDKを構築しました。Prebid Mobileは、既存のメディエーション広告スタック内でも、単独でも使用できるため、アプリのインベントリ、データ、イールドのコントロールを取り戻す正当な機会を提供します。  なぜPrebid Mobile 2.0なのか?  オープンで透明性が高い  Prebid Mobileは、コミュニティドリブンで、完全に中立的な技術であり、業界に独立したマネタイズのソリューションを提供し、アプリ開発者に多くの選択肢を与えます。あらゆる広告フォーマットでモバイルヘッダ入札を促進し、イールドを最大化するように設計されており、各オークションにインプレッションレベルの透明性を提供します。  さらに、Prebid Mobileは、Prebidサーバー経由で何十ものデマンドソースに直接接続することを可能にします。メディアバイヤーが、効率性とサプライパスの最適化を重視するようになった今、バイヤーに直接供給を行うSDKは、非常に強力なツールとなります。  コンフィグのし易さ  以前のPrebid …

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remote control pointing at a screen

OpenRTB 2.6の注目すべき10の機能

IAB Tech Labは、この春、OpenRTB 2.6を公開しました。これは、コネクテッドTV(CTV)のインベントリ取引方法を改善するために設計された、OpenRTBプロトコルの注目すべき更新版です。
IAB Tech Labは、Index Exchangeやその他業界をリードするいくつかの企業と共に、今日よく見られるCTVの課題を解決する業界標準を策定するために、1年余りを費やしました。その結果がOpenRTB 2.6であり、デジタル広告にとって大きな前進となりました。この仕様は、プログラマティック環境におけるテレビの複雑性を考慮したものであり、CTVの拡張において重要な役割を果たすことでしょう。

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タブレットの画面をタッチする人

テクノロジーの選択肢が広がることで、プログラマティック広告はコンテンツクリエーターにとって、より簡単かつ、収益性の高いものへ

今週、Googleはヘッダー入札のワークフローの簡易化を図った、重要な新機能の導入を発表しました。パブリッシャーはヘッダー入札のパートナーを、数千に上るパブリッシャーが利用するGoogleの広告サーバーと対等に、かつリアルタイムで、簡単に統合することが可能になります。 この機能は長年待ち望まれてきたもので、人によっては5年から10年越しの実現となることでしょう。これにより、他のヘッダー入札ベンダーがGoogle広告エクスチェンジのシームレスな代替手段を提供できるようになり、パブリッシャーは競合を強化するとともに、収益性の向上を見込むことができるようになります。 当社ではこれをGoogleによるポジティブな動きと見ており、市場とGoogleが協力することで競争を後押しし、パブリッシャーが自社の選択によるエクスチェンジや広告サーバーを利用できるようになると期待しています。 ヘッダー入札機能について分かっていること ヘッダー入札の長所と短所は多くの記事で扱われているため、今回はそこに触れることはしません。その代わり、ヘッダー入札機能が関係すると思われる独立系エクスチェンジの利用にあたり、パブリッシャーが経験するライン項目の設定と、入札バケットに関する2つの短所について考えましょう。 ヘッダー入札前には、エクスチェンジはパブリッシャーインベントリに入札できる価格として予想静的価格を提示する必要がありました。例としてここでは、$0.34としましょう。しかし、インプレッションの価値と可用性のあるデマンドの変動が大きすぎるため、この手法は難しく、非現実的なものでした。平均値を取ることは、取引の実行には非効率的だったのです。常に実際の価格で入札できるGoogle広告エクスチェンジと比較すると、$0.34という価格ではインプレッションの価格を過小評価、あるいは過大評価してしまう恐れがあります。 これを回避するべく、ヘッダー入札では微細な価格変動に対応する数多くのライン項目を設定し、可用性のあるサプライとデマンドに基づいて、ライン項目を動的に有効化します。それにより、広告サーバーに接続された広告エクスチェンジは、実際の価格で競争することができるようになりました。 しかしながら、ライン項目の限界から、パブリッシャーは価格幅を示すバケットを作成する必要が生じます。その数値は、入札プロセスで切り上げまたは切り下げられます。例えば、あるエクスチェンジが$5.24で入札すると$5.00に切り下げられて競争することとなりますが、Google広告エクスチェンジは完全に正確な入札額によりオークションで競り、落札することができるのです。 このような動きは、パブリッシャーにとっては単純に利益損失となる一方、Googleは落札率が高くなるという優位性を手に入れることから、バイヤーはGoogleのエクスチェンジを好んで選ぶようになります。 ヘッダー入札機能はこの間隙を埋めるものとなり、パブリッシャーは、いかなる価格バケットやライン項目の限界があったとしても、自社のヘッダー入札パートナーを利用して細分化された価格レベルで競争することができるようになります。結果として、面倒なライン項目の設定や入札バケットの欠点を排除することができます。 当社としては基本的に楽観的なスタンスですが、全く懸念がないわけではありません。過去において、Googleは公平な競争環境の促進に役立つと思える変更を提案したものの、結局はそのようにならなかったこと(例えば、統一価格設定ルールやラストルックの排除に関するもの)があるからです。しかし、今回の動きに関してはGoogleは称賛に値し、当社としてはその結果を見てみたいと思います。 Prebidエコシステムの推進に向けた協力体制 パブリッシャーエコシステムはGoogleのヘッダー入札機能からメリットを享受することとなりますが、その変化の実現において大切な部分となるのがラッパーです。長年にわたり数多くのラッパーソリューションが存在してきましたが、Index Exchangeはその普及に大きな役割を担ってきました。 当社は、最初期からPrebidアダプターのコードベースに貢献した一社であり、Prebidに後続参加し、この業界におけるオープンなコラボレーションの未来を支援し、唱道してきました。Googleのヘッダー入札機能の最初のバージョンは、Prebidラッパーに適用されるため、パブリッシャーは簡単に導入できるとともに、業界標準に関連するコラボレーションを促進する機会となります。 今後、Index ExchangeではPrebidへの継続的投資を強化し、今後数か月でお客様と協働しつつ、Prebidに対応した設定へと更新するお手伝いをして参ります。 より多彩な選択肢をパブリッシャーに提供 テクノロジーの選択とアドテクの障壁解消は重要事項です。お客様との対話に基づくと、パブリッシャーは、Prebid.jsまたはPrebid Serverを通してGoogleの広告エクスチェンジを呼び出すことを望んでいます。それにより、パブリッシャーは大規模なデマンド源であるGoogleの広告エクスチェンジを失うことなく、新たなレベルの選択肢を手に入れることが可能となります。 …

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