ストリーミングTVに特化したApp-ads.txtコンプライアンス

Catherine Cho, プロダクトマネージャー
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IAB Tech Labが設定した標準であるApp-ads.txtは、メディア企業が自社のインベントリの販売が認められた企業を把握でき、ストリーミングTVに透明性をもたらします。メディア企業が消費者にコンテンツを提供する方法は多数あるため、app-ads.txtコンプライアンスは他のアプリ環境と比べてストリーミングTV向けに変更されています。今回の動画では、Index Exchangeのプロダクトマネージャーであるキャサリン・チョー(Catherine Cho)が確実に正しく実装する方法をお話します。

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app-ads.txtとは何か、またストリーミングTVにどう透明性をもたらすか?

IAB Tech Labの「認可されたデジタル販売者基準(英語)」の一環として、app-ads.txtにより、メディア企業がどの会社が自社のインベントリ販売を認められているのか把握できるようになりました。  

この標準が、さらなる透明性をもたらし、なりすましや未承認のリセラー対策、サプライチェーンの安全性をサポートします。メディア企業は、承認されたチャネルを介して安心して、安全に取引できます。また、メディア企業が自社のインベントリの価値を適切に反映して維持することが可能です。 

ストリーミングTVのためのapp-ads.txt

ads.txtとapp-ads.txtは、ウェブとモバイルアプリで幅広く長期に渡り使用されています。ストリーミングTVは、メディア企業が消費者に対してコンテンツを提供する方法が多いため、実装をさらに複雑にしています。 

例えば、Warner Brothers Discovery、A&E NetworksまたはFoxのようなメディア企業は、自社で所有・運営するアプリでコンテンツを配信する場合がありますが、デバイスメーカーであるSamsungやLG、Pluto TVやPhiloのようなサービスにコンテンツの使用権を提供する場合もあります。 

インベントリ共有契約のもと、アプリまたはデバイスが全ての広告リクエストの一部と広告販売権を取得し、サードパーティを介さないセラーとなります。このような関係性に取り組むため、IAB Tech LabはストリーミングTV専用に改善したapp-ads.txt(英語)発表しました。 

マーケターがストリーミングやコネクテッドTVへの投資を増やしており、 app-ads.txtの導入が加速しています。しかし、正しい実装とコンプライアンスを確保するには考慮すべきことが多くあります。 

これは、サプライチェーンの品質に影響を及ぼすだけでなく、メディア企業の収益にも影響があります。app-ads.txtの入力がなかったり、間違って実装されたりすると、バイヤーが未承認のサプライの価値は低いと思い、入札をしないのでメディア企業は収益を失うことになります。 

実際、CTVにおける承認を受けたサプライは、3倍のインプレッション収益(RPM)を獲得しています。 

ストリーミングTVにおけるapp-ads.txtの役割

それでは、app-ads.txtは、どのような役割を果たしているのでしょうか? 

もっとも単純な事例では、コンテンツ所有者がインベントリの販売を許可された全ての機関をリスト化するapp-ads.txtファイルをホストし、バイヤーが入札リクエストを確認できるようにすることです。 

視聴者が番組をストリーミング中にコマーシャル枠が現れると、コンテンツ所有者は広告枠を埋めるようにリクエストを送信します。各オークション参加者は、app-ads.txtファイルを使い承認済みのセラーであるかどうか確認できます。 

ディストリビューターは、アプリを介してインベントリを販売する際、app-ads.txtに関する基本的な要件に従います。 

しかし、ストリーミングTVにおいてインベントリ共有契約が普及することで多少、複雑になります。 

コンテンツ所有者と (広告の権利を所有する全ての)ディストリビューターの関係性をサポートするため、IAB Tech Labが変数値「 inventorypartnerdomain」を発表しました。これによってコンテンツ所有者およびディストリビューターのアプリも承認を受けたセラーとなります。 

コンテンツ所有者とのインベントリ共有契約を結んでいる場合、アプリ事業者やディストリビューターは2つのことを実行する必要があります。 

  1. コンテンツ所有者の識別。 app-ads.txtファイルでインベントリパートナーとして表示します。 
  1. 入札リクエスト内のinventorypartnerdomainで、コンテンツ所有者を示します。 

ディストリビューターのアプリとコンテンツ所有者の間で入念なやり取りがあり、プログラマティック・サプライチェーンの安全性を十分に確保することです。コンテンツ所有者はapp-ads.txtファイルで承認済みセラーを示す必要があり、ディストリビューターアプリも同様に示す必要があります。これはウェブやアプリとは、大きく異なります。2つの機関がサプライサイドで協力し、一連のコンプライアンスが承認されていることを確実にするためです。 

ストリーミングTV市場は、引き続き大きな予算と高いCPMをもたらすので、透明性への期待が高まる一方です。正しく実装されたapp-ads.txt基準に対する業界の期待に、サプライが確実に応えることが、プログラマティック・ストリーミング市場に参加する必要条件となっており、今後の発展にとって必要不可欠です。 

エコシステム全体で承認されたストリーミングサプライが増え続けることを期待しています。早期、また継続的に業界基準を導入することがバイヤーの安全性を最大限に高め、パブリッシャーの収益を生み出します。 

この動画制作に携わったジェレミー・グラント( Jeremy Grant )に感謝します。 

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